【YouTube】トスティ作曲 夢|コンサート映像(楽曲解説付き)
おまたせしました~♡コンサート映像第3弾!完成しました!パチパチ~♪
鬼のパンツからはじまり…
オペラからムゼッタちゃん♪
今回三曲目に選んだのはトスティ作曲の夢。
私がこの曲と出会ったのは高校生の時。歌を習い始めたばかりの私が、もちろんイタリア語も分からず歌っていました。
まずはYouTubeをご覧ください♪
トスティ(1846-1916)はイタリア人作曲家で、声楽教師でもあったため、たくさんの歌曲を作曲しました。
歌曲とは、オペラと違い、それ1曲単体、もしくは連作で成り立っている楽曲で、舞台セットや衣装を使わず、基本的に演技もしません。そして少ない例外を除いては役名などもありません。つまり、現代の歌謡曲/ポップスと同じ存在で、それ単独で演奏されます。
一般的にコンサートでは、先に紹介したムゼッタの様に、オペラの中から有名な曲を1曲だけ取り出して歌うこともあるため見分けがつきにくい(ムゼッタの場合は動いて歌ってるからそんなことはないか!笑)場合もありますが、オペラから有名曲を演奏する場合はあくまでも“抜粋してコンサート形式”で歌っている、そして歌曲は最初から“コンサートのために”作曲された、という違いがあります。
また、細かい話にはなりますが、オペラは2000人/3000人の劇場で、オーケストラを相手に歌うのに比べ、初めから大きな歌劇場ではなくサロンなどの小さな空間で、ピアノだけや少人数の楽器と演奏されることを想定した歌曲という分野には繊細な曲がたくさん存在します。(といってもオペラが荒いわけではないですが!笑)
どのような空間で、どのような楽器と歌うかによっても、同じ声楽という分野でも表現の仕方が変わってくるんですね。
ちなみに私は2年前本格的にイタリア歌曲というものに触れるまでは、断然オペラ派でした。でっかい声で高い声を出すのが単純に気持ちよかったので…(理由があっさ~!笑)。 それが勉強を重ね、コンサートでも演奏させてもらうにつれ、歌曲にすっかり魅了され、最近はオペラだけでなく歌曲も積極的に歌うようにしています。
オペラも歌曲も、どちらも奥が深いんですよ。
基本的には同じ発声法でOK、かつオペラの有名曲ばかり歌うと体力も声も消耗してしまうので、オペラ歌手がコンサートで歌曲を歌うことは“あるある”なんです。
実際に私もコンサートの構成を考える時にはオペラの有名曲と曲を混ぜるようにしています。
今回選んだ夢は、美しい伴奏にのせて歌われる「夢」を語っている曲で、夢の中でいい雰囲気だったのに、いいところで目が覚めてしまう。「なんだ…夢か…」という少し悲しい気持ちと、その後に残る温かい余韻を感じられる1曲になっています。
前述のとおり、トスティは声楽教師でもあったため、メロディとして美しいだけでなく、歌い手に無理をさせない、“歌い手ファースト”な作曲家であるといってもいいと思います。声楽を学ぶ人のためのヴォカリーズ(歌詞がない発声のための曲)も作曲し、私は大学時代にその楽譜を使って勉強しました。
親しみやすく、心に残るトスティの曲たちはイタリア人にも大変人気があります♪
コンサートで歌うとイタリア人達は喜んでくれますよ♪
イタリア語だけにとどまらず、英語やフランス語にも堪能で、イタリア語以外の曲もたくさん作曲していますが、どの曲にも「トスティらしさ」が溢れていて、素敵な曲ばかり。この先このブログに再登場すること間違えなしの作曲家です。
好みは人それぞれですが、ヴェルディ…プッチーニ…モーツァルト…フランス物…そしてトスティ。いろいろ聞いていくうちに好みの作曲家が見つかったりすると、よりオペラの世界を楽しむことができるかもしれませんね♪
私のYouTubeだけでなく、気になった曲があればどんどんYouTubeで検索して、お気に入りの歌手も見つけてくださいね♡(もちろん、私が一番なのでそれしか聞かない!でも、それはそれで嬉しいです♪笑)
それでは最後に歌詞と和訳を掲載して終わりにしたいと思います。
Sogno F.P. Tosti
トスティ作曲 夢
Ho sognato che stavi a ginocchi | 私はあなたが神に祈る聖人のように |
come un santo che prega il Signor, | 跪いている夢を見た。 |
mi guardavi nel fondo degl’occhi, | あなたは私を見つめ |
sfavillava il tuo sguardo d’amor. | 瞳の奥には愛の眼差しが輝いていた。 |
Tu parlavi e la voce sommessa, | あなたは控えめな声で話し、 |
mi chiedea dolcemente mercè; | 優しく私に慈悲を求めてきた。 |
solo un guardo che fosse promessa | ただ誓いである眼差しだけを求め |
imploravi curvato al mio piè. | 私の足元に身を屈めていた。 |
Io taceva e coll’anima forte | 私は沈黙を保ち |
il desio tentatore lottò; | 欲望は誘惑し、強い心と戦った。 |
ho provato il martirio e la morte, | 私は苦しみ死ぬ思いをしたが、 |
pur mi vinsi e ti dissi di no. | 自分を抑え、あなたにNoと言った。 |
Ma il tuo labbro sfiorò la mia faccia | でもあなたの唇が私の顔に触れた時 |
e la forza del cor mi tradì. | 私の強き心は私を裏切った。 |
Chiusi gli occhi, ti stesi le braccia, | 目を閉じ、あなたに向けて腕を広げた、 |
ma sognavo e il bel sogno svanì! | しかしそれは夢で、美しい夢は消えていった! |
訳:杉浦 葉奈
↓解説なし演奏のみバージョン↓
この記事へのコメントはありません。