イタリアのオペラコンクール|モデナで予選会
ちゃお〜!イタリアではクーラーは付けずに扇風機でしのぐ派のはなです。笑
でも今日のヴェローナは最高気温33度!暑かったぁ…。それでも日本の夏とは違って湿気が少ないから日陰では過ごしやすい。自室にクーラーがないわけではないので、暑さで溶ける前に付けようと思っているのですが(笑)、日本の蒸し暑さに比べると100倍くらいましなので、寝る時も窓は閉めて、扇風機もなしで過ごせています。
そしてモデナでのコンクール!
前回の記事で明日書きますね!と宣言したにもかかわらず、一日空いてしまうという大失態。。。失礼いたしました。
落ち込んで書けなかったのではなく、単にバタバタしていて書けなかったと言うのが本当の理由です。笑
ごめんなさい!
ということで改めてどのような流れで今回のコンクールが行われたのか書いていこうと思います♪
今回のコンクールは前にお伝えした通り、10月にシチリアで行われるコンクールの予選、という位置づけだった。
日本では良くある予選と本選の日にちが離れているパターンのコンクールだけど、実はイタリアでは珍しい。通常は予選→セミファイナル→ファイナルと2〜4日かけて連日行われるのもの。
今回はちょっと特殊な例かな。
私の出番は17時だったので12時半ごろヴェローナを出発。家でお昼ご飯を済ませていくには早すぎるかなと思い、おにぎり持参で出かけたよ。ちなみに海苔にさほどこだわりはない私は、おにぎりを作るときは、海苔すらもないただの塩おにぎり。笑 え?具なし?って思われた方もいるかもだけど、私はそれが好き。笑 ちょっと変だよね。うん。知ってる。笑
まだまだ公共交通機関でのマスクは必須。マスクをしてないと駅にすら入れてもらえないよー!
ヴェローナからモデナまでは普通電車を乗り換えて約2時間の電車旅。乗客の少ないし、幸い大した遅延もなく、快適旅♪
窓が大きかったから、景色が良く見えました♡
乗り換えはマントバという駅。ここでまた普通電車に乗り換え♪
なんか見たことのないイタリアンカラーの可愛い電車♪私が住んでいるヴェネト州とも、ミラノがあるロンバルディア州とも違う、このエミリアロマーニャ州の電車って書いてあったと思う。
こういうところ、イタリアのセンスが光るよね〜↓
コロナ対策を促すお知らせたちで、なんか、赤ばっか。笑 印がついている席には座れません。↓
綺麗な電車で快適旅だった。
今回の会場は教会併設のホール。
かなり大きな教会で、中にも素敵な絵画や祭壇があって、コンクールが終わった後は中に入って気を鎮めさせてもらいました。
コンクールが行われる会場は、この教会付属のおそらく元修道院だった施設。イタリアではこういう元修道院…という施設にコンサート会場や美術館などとして出会すことが良くある。さすがバチカンとの関わりも強いだけあるね。
この回廊の中の一部屋が会場になっていた。
いいお天気♪
中はこんな感じ。この仕切りの向こうでピアニストと審査員がいて、歌う…というシステム。
この待っている時間がなんとも言えないよね。ドキドキ。
ちなみに会場へは自分の演奏時間の2時間近く前に着いて余裕をもって準備をするつもりが。。。なんと!会場へついてみると発声の部屋がないと!
学校での音楽の授業や合唱コンクールのために経験したことある方も多いと思いますが、歌うためには発声練習は必須!!!
スポーツ選手に例えるならばストレッチ的な存在で、100メートル走を走る選手にストレッチ無しで走れと言っているようなもの。もちろん、走るには走れる。が、体を慣らさないといいタイムは出るわけがないし、怪我のリスクが増える。
オペラ歌手にとって発声練習はストレッチと同じこと。
声さえ出ればなんでもOK!だったら歌うことはできる。でもすごく繊細な感覚で体を使って歌っているので、それが起きないまま歌う=いい歌は歌えないよね。
高音が出にくかったり、もしくは出なかったり、うまく体が使えない、声帯が硬いままで音が不安定になったり…などなどいろんな支障が出るんです。
なのに!
発声の部屋がないと!
…日本だったらそんなこと絶対に起こらないけど、ここはイタリア。そんなアクシデントも起こっちゃうんだなぁ〜
先ほどの写真の中庭で歌っている人もいたけど、会場まで声が聞こえてくる!ということですぐに止められていた。。。
むむむ。。。
主催者側に、じゃぁどこで声出しをすればいいんですか?と尋ねたところ…
「自分の番がきたら会場で発声してください。」
へ!?笑
それはつまり審査員やピアニストの前で発声しろってこと!?笑
着替える部屋がなくてトイレで着替えることは日常茶飯事。発声の部屋が十分に用意されておらず取り合い、これも日常茶飯事。発声の部屋がないから外(野っ原!笑)で歌ってきてください、これは数回あった。
でもさすがに審査員の前で、審査員を待たせての発声は初めてだったよ!笑
いやぁ、私も神経が図太くなったよね。笑
昔だったら、「え…そんなん待たせちゃ悪いし早く終わらせなきゃ」とか思って不十分な発声で臨んでたと思うけど、イタリア暦10年となると「発声部屋用意してないそっちが悪いんじゃん。私はやりたいだけやらせてもらうよ」と思いながら待たせてしまう審査員とピアニストに笑顔でお礼を言って、約10分発声した。
本当のところ、10分でも足りないくらい。
1曲目に予定していたものを発声の不安なく歌うには20分から30分ゆっくり時間をとって集中した声出しが必要だったから。発声して終わり!ではなく、せめて出だしの部分とか、最終チェックが必要なところを歌ってみて本番に挑みたいところ。
それを…。審査員の前で、10分で終わらせることに。
まぁ…、ね。
ここはイタリア。笑 全てはそれ。笑
マイペースを貫き、焦らないで割と落ち着いて、審査員ともコミュニケーションをとりながら発声できたので、まぁまぁ…よかったとしよう。
と言っても1人で集中した環境で準備するのよりも難しかったってことはあるよ!だって、審査員の前で発声なんて前代未聞だから!笑
…と、そんなこんなで発声が終了し、3曲続けて演奏することに。
ピアニストも上手な方だったので、歌いやすく、この過酷な環境の中では割と集中して歌えたかな…という印象ではあるものの、前回の記事に書いた感想の通り、やっぱり勝ちにいく気持ちが私には足りていない。
これは次への課題ね。
↓こちらは本番メイク
ここはイタリアなんで、ピチッと体のラインが出るワンピースに巻き髪、赤リップ。
日本のコンクールにはこんな人いないと思う。笑
コンクール終了後はまずは自分の演奏の感想を率直にノートに書きとめ、密かに録音しておいたものを聞いて再度一人反省会。
結果を知る前のこの作業が一番大事だと思っている。何事も準備、本番、振り返って反省。そして改善。この流れが大切だと思う。
ベンチに腰掛けて黙々とノートを書いていたら電車の時間が迫っていたので、観光なんて全然できず、せめてものモデナの美しい大聖堂を見ながら帰路へ…。
小さく花嫁さんが写ってる♪
モデナの駅舎が可愛い♪
帰りもマントバ駅で乗り換え。。。
↓こんな美しい夕陽を見ながらヴェローナへ帰りましたとさ。
これにて長い長い1日が終了。
会場までの往復4時間半。演奏時間、発声も合わせて25分程度。
今回の場合、予選突破とはいかなかったけど、3曲歌うことができた(新しい曲が1曲あったので本番で試したかった)し、改めてイタリアのコンクールの洗礼も受けたし、多少のことでびびらない、マイペースを崩さないことが大切、という体験もできていい機会だったと思う。
久しぶりのコンクールで嬉しかったし、演奏の面でも本当に実り多き機会だった。
一番大切なことは今回の反省を次回に活かすこと。
そうすることによって確実にレベルアップしていけるはず。
昨日の自分よりも良い今日の自分を。前回のコンクールよりも良い次回のコンクールを。
のんびりしている時間はないので、歩みを早める気持ちで頑張っていきます!どうぞ応援よろしくお願いしますっ!
この記事へのコメントはありません。