私の1番好きな作曲家ヴェルディ|ゆかりの地ブッセート②
前回の記事に続いて今日もヴェルディの街Bussetoブッセートの紹介♡
ヴェルディ愛に溢れたややマニアックな記事ですので、そこのところ、よろしくです。笑
↓①から読みたい方はこちらへ↓
イタリア中部にあるこの街はヴェルディが育った街であり、生誕から200年経った現在でもヴェルディゆかりの地としてオペラファンの聖地となっている。(…と勝手に私が思っている。笑 少なくともヴェルディ大好きな私にとっては聖地であることは間違えない)
↓ブッセートの中心にある広場に佇むヴェルディの像。
ヴェルディの奥に見える建物が市役所(左側)と劇場(右側)を兼ねたもの。
↓劇場側の入り口にはTEATRO VERDI(テアトロ ヴェルディ)ヴェルディ歌劇場と書いてある。
実はヴェルディがまだ生きていた1868年にオープンしたこの劇場は、ヴェルディ自身は建設に賛成ではなかった。田舎には豪華すぎる作りだったし、そもそも二人目の奥さんを暖かく迎えなかった(彼女が教会に行くとみんな退席して出ていくほど陰湿だったよう)ブッセートの人々に対して、あまり良い感情を抱いていなかった…とも言われている。
街の人はブッセートの英雄であるヴェルディの名を冠した劇場を建てたけど、本人は金銭的な支援をした以外は関わっておらず、一度も足を踏み入れることがなかったそう。
小さな田舎町にそぐわぬ立派な劇場↓
小さくても馬蹄形のかわいい内装♡
ヴェルディは田舎町にしては立派過ぎる劇場には疑問があったのだろうと思う。
でも、21世紀の今、毎年行われるフェスティバル ヴェルディなどの機会にヴェルディが育った街でヴェルディのオペラを見ることができる…という素敵な経験を私たちにさせてくれる♡
わずか300席という小さな劇場なだけに、世界中のヴェルディファンが集まるフェスティバルはチケットを入手するのも結構大変だったりする。
劇場も小さいから当然舞台も小さくて…
カーテンコールでは合唱も含めた出演者でぎゅうぎゅうに。。。笑
でもその小ささがこの劇場の魅力。
↑2015年フェスティバル ヴェルディを見に行った時。演目はリゴレット。
一昨年コンサートに来て頂いた上江隼人さん(右から二番目派手色の衣装)が主演のリゴレットを熱演されていた。
昔も今も変わらず、ブッセートの人、そして世界中からはるばるブッセートまでオペラを見に来るヴェルディファンは伝統志向が強いようで、この公演のカーテンコールの時、隣に座っていたおじさんが「Vergognati!!!(恥を知れ!)」といきなりでっかい声でヤジを飛ばして、私がビクッてなったことはきっとずっと忘れない。笑
もちろん、歌手や演奏に対してではなく、演出家に対しての発言で、前衛的な演出だからどうも好みに合わなかったご様子。
イタリアでは昔から、うまく歌えなかった歌手や良い演奏に導けなかった指揮者、そして演出家に対して「ブ~~~~~~~~~~」というブーイングが起こるのが普通。さすが感情表現豊かなイタリア人。良ければ熱狂するし、悪ければブーイング。観客としての意見をしっかり舞台へ届けます。笑 私も実際スカラ座で何回もブーイングをきいた。
でも真隣で叫ばれたのはこの時だけだな。笑
↑荷物を預ける時に引き換え用にもらったコイン♡こんなところまでヴェルディ…。たまりませんな♡
↑オペラは歌うのも観るのも好きな私。私にとっては着飾って劇場へ行く…というのも楽しみの一つだったりする♡せっかくの観劇、気張って行きたいよね!
ブッセートには前回書いたバレッツィ亭以外にも、このヴェルディ博物館と呼ばれるものがある。↓
私は1度行ったけど、大した展示物もなく、行く必要がなかったな…と思ったので、そのこともあえて書いておこうと思う。笑 悲しいがな市がヴェルディの名のもとにお金を集めようとしている感が否めなかった。笑
①で紹介したバレッツィ亭や後程紹介するサンタガタのヴェルディの家の方が見どころがたくさんあって良いのでそちらを強くオススメします。
この建物の敷地内で去年の4月世界的バリトンブルゾンのマスタークラスを受講したんだったなぁ…。↓
この部屋の写真見るだけで背筋がピンってなる。それだけのオーラを持っていたブルゾン。すごいわ。。。
↓さてさて、ブッセートから4キロ、こんなのどかな田園風景を行くと現れるのが…
↓そう、1851年から亡くなるまでヴェルディが暮らしたVilla Verdi(ヴィッラ ヴェルディ)ヴェルディのお屋敷。Sant’Agata(サンタガタ)というブッセートから4キロ離れたところにある。
黄色い外観が特徴的。
ヴェルディは作曲家なだけではなく、実は農場経営などもしていた実業家。稼いだお金で土地を買い、そこを農地として経営していた。
作曲の才能だけでなく、経営の才もあったなんて。。。すごいなぁ。そして、作曲の農場経営で得た富を使って病院建設をしたり、年老いた音楽家のための老人ホームを作ったりしたことはオペラ界では有名な話。ヴェルディはやっぱり偉大。
↓ミラノにある音楽家のための憩の家。現在も引退された音楽家の方たちが暮らしていて、ヴェルディはここに併設されたお墓に眠ってる。(ちなみに以前紹介したように私はこの憩の家の裏の通りに住んでいた。参照:https://hanasoprano.com/rhugakuchuki/)
話をサンタガタに戻し…。
ヴェルディの子孫(ヴェルディ自身の子供は幼くして亡くなっているので直系ではない)によって管理されているこのVilla Verdiではヴェルディが暮らしていた当時の様子がよく残されていて(残念ながら部屋の中は撮影禁止)、ヴェルディが生きていた時の空気をそのまま感じることができる。もちろんミュージアムなのでそのために置かれた展示物などがあるにせよ、公開しているところ以外は現在も私物の邸宅として使われているだけあって、現代と150年前をつないでくれる特別な存在。
↓ただの置かれた椅子じゃないんですよ~
ヴェルディの写真として有名なこの一枚(ヴェルディは真ん中の帽子+ひげのおじいさん)で座っているベンチ。
こう実際に近くで見ると…本当に遠い遠い存在であるヴェルディを、生きていた・実在していた“人”として感じることができる椅子。
ブッセートからは歩きしかここに来れる方法はなく、可能であれば車で直接訪れるのが無難で、私は泊まっていたところの自転車を借りて走っていったよ♪
Villa Verdi(ヴィッラ ヴェルディ)ヴェルディの屋敷
公式サイト(伊・英):http://www.villaverdi.org/
住所:Via Giuseppe Verdi 22, Sant’Agata
自転車でサンタガタまで行く途中、半田と同じ匂い…つまり牛糞の匂い(爆)がして、なんだかヴェルディとぐっと距離が縮まった感じがしたのは良き思い出。笑
オペラファンの方で、中部イタリアを訪れる機会があれば、ブッセートとサンタガタはぜひ訪ねて行ってほしいところ。ヴェルディが生まれ育ち、暮らしたところを見に行き、肌で感じることによって、よりヴェルディという存在を近く感じることができ、きっと満足してもらえるはず!
そして生ハム・チーズ・ワインと美味しいものもたくさんあるこの土地でイタリアを満喫してもらえればな…と思います♡
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