杉浦葉奈のイタリア生活|⑥後期ヴェローナ生活
2010年6月からスタートし、家ごとに区切って紹介してきた私のイタリア生活も、ついに最終回!
↓歴代の家のおさらい↓
- 2010年6月~ (最寄り:ミラノ地下鉄緑線 PIOLA駅徒歩10分)
- 2010年12月~ (最寄り:ミラノ地下鉄緑線 PIOLA駅徒歩10分)
- 2014年2月~ (最寄り:ミラノ地下鉄赤線 BUONARROTI駅徒歩5分)
- 2015年9月~ (最寄り:ミラノ地下鉄赤線 PRIMATICCIO駅徒歩5分)
- 2019年4月~ (最寄り:ヴェローナ市バス バス停Via Quattro Novembre徒歩5分)
やっと現在までたどり着きました!記憶が新しすぎて伝えたいことが多すぎる…。今回が一番写真の選択に苦労したわ…笑 今回はざっくりと2019年4月からの1年を振り返って細かく伝えていきたいことはまた後日改めて…♡
まずはお家の紹介。2019年4月からのお家、つまり今住んでいる家です。笑 日当たりが良くてお部屋も広く、ミラノと比べものにならないくらいお得なお家賃…。笑 ということでとても気に入ってるよ♪
大きなクローゼット+ベッドの下も収納。。。むむむ。お引越しの時にした断捨離がそろそろ再考の時期を迎えている気がする。。。近いうちに再断捨離せねば!笑 これこそおうち時間にできるね♪笑
↓リビング。(私は普段自分のお部屋にいるのでめったにここにはいない。笑)同居人サリー(また改めて紹介します♪)はイギリス人で、イタリア人じゃないけど、ヨーロッパの人の色彩感覚って私は好き。日本には日本の素敵な感覚があるけど、ヨーロッパの方がカラフルで色と色の組み合わせを楽しんでいるように感じる。
グレーとイエローの組み合わって可愛いよね。
なぜヴェローナに引っ越したかというと、2017年1月からついていた新しい先生がヴェローナの方で、普段はミラノから通っていたんだけど、移動にかかるコストや労力を考えるとヴェローナに引っ越した方が歌に集中できるいい環境が得られる、と思ったためミラノを離れることを決意。
つまり歌に集中するためにここに来たのです。
それまでも週一でヴェローナに通っていたので、ミラノとの距離感も分かっているし、全く知らない街ではなかったので、行くと決めたら割とすすすっと事も運び、お家探しも2件目でここに出会えたという奇跡。
おかげで先生のお宅まで徒歩10分、そして栄えている旧市街までも同じく徒歩10分という好立地に住むことができている。
この1年、とにかく歌に生きると決め、それまでしてこなかったことをいろいろ試すことに。コンクールもたくさん受けたし、オーディションにも挑戦した。そして、歌の技術も実感できる!と胸を張って言えるほど伸び、これからまだまだいろいろ力を試したい!というところでこのコロナ騒ぎ。。。もうしょうがないんですけどね。みんな我慢我慢。今はひたすらつぼみを大きくする毎日です。
話はそれたけど、この1年に3回も超の付くほど有名な歌手のマスタークラス(つまりスペシャルレッスン)を受けることができた。
一人目はレナート・ブルゾン。泣く子も黙る…いや、むしろ黙ってる子も泣く、あの厳しくて有名なブルゾン。超有名な黄金世代のバリトンでスカラ座のアカデミーでも指導していた人。御年84歳(当時83歳)。
↑恐れ多…多すぎて一緒に写真を撮ってくださいとも言えなかったため写真は無し。笑 ピアニストさんが指している先にブルゾン先生はいらっしゃいます。。。笑
あまり緊張しいではない私が、人生で一番緊張して、どの本番よりも、どのコンクールよりも、どのレッスンよりも、頭真っ白足ガクガクに緊張した。緊張で息が浅くなって集中力もなく、まっっっっったく自分の思ったような歌が歌えなかった。その夜悔しくて大泣きだったことは内緒。笑
全てを知って全てを見透かされているような気がして怖かったし、気難しいで有名なブルゾンのそのオーラがすごすぎて圧倒された。でもこのマスタークラスでは細かなことよりも何よりも、舞台に立って歌うとは…ということの厳しさを学んだ。
真剣に向き合い、自分を強く持たなければあの空間にはいられない。トップ中のトップと同じ空気を吸えただけでそれを感じることができた。今思い出しても背筋がピンってなる。笑…って書いたけど笑えないくらいね。存在しているだけで若いオペラ歌手にそれを伝えられるってすごいことだと思う。ブルゾン…。浅い表現になっちゃうけど、本当すごかったわ。
夏には世界中から若い声楽家が集まるマスタークラスに参加した↓
絵的にもなんてインターナショナル!そして実際に国際色豊かな仲間たちだった!笑
ここでも世界的に有名なソプラノ歌手バルバラ・フリットリのレッスンを受け、プリマドンナなのに気さくで、厳しい中にも生徒を思い、良くしてあげようという気持ちがひしひしと感じられたし、何より彼女自身が教えることにも一所懸命。
↑かなり分析して指摘してくれるので受けていても、聴講していても分かりやすかった。機会があればまた是非レッスンを受けたい!
↓最後の一人はラモン・バルガス。こちらも超の付く有名なテノール。私ははっきり言ってテノールは頭の弱い人が多い(大変失礼な発言!ごめん、テノール達!笑)と思っていたし、本当に申し訳ないけど、彼もその一人だと勝手に思っていたから、前述のふたりに比べるとそこまでの期待はなかった。
けど!やはり超一流になれる人は頭が弱いわけがなく、きちんと組み立てたレッスンをしていて、こちらも聞いていても受けても大変ためになるレッスンだった。
↑そしてバルガスもとっても気さくだった♡「こんなに感情をのせて歌う日本人(日本人は一般的に感情表現が苦手)は初めてだよ~」とお褒めの言葉をいただいちゃった♡
この夏のヴェネツィアでのマスタークラスは椿姫のオペラ研修があり、私の最大の目的はそれだった。
ヴェネツィアという椿姫が初演された街で、私の一番好きなオペラである椿姫を勉強できる。本当に贅沢極まりない時間だった。オペラ公演を撮った動画をまた載せる機会があったら載せますね~
↓終了証をもらって記念撮影♡本当にみんないい子たちばかりで大好き♡
2019年夏にも去年、おととしに続きHana&Carlosを実現。予告通りサードコンサートまで持ってきました!
そしてなんとこのコンサートで、中日新聞の知多版に特集記事を載せてもらえることに♡
8月15日終戦記念日。中日新聞の記者さんが自宅まで取材に来てくださり、細かくお話を聞いてくれて、写真も撮って行ってくれた。このピアノに置かれた右手で子供の時に貼ったシールを隠しているというのはここだけの話。笑
ピアノにシール貼っちゃだめでしょ。笑
今回は武豊でのコンサートに加えて名古屋でも2公演の合計3公演やらせてもらい、無事全て終了。
本当に感謝感謝。感謝でしかありません。新聞の影響か地元のテレビ局が取材に来てくださり、特集して放送してもらえることに…。
↓やっぱり喋るより歌う方が性に合ってるのか、インタビュー中は顔が堅いわ!笑 思いの伝わるように編集してくださり、ありがとうございました。
そしてこの時期プライベートではじゃじゃん!
ヘアドネーションを目指してながーーーーーく伸ばしてきた髪をようやくドネーションできました♡
超超超スーパーロングのストレートはイタリア人には人気だったけど、スピリチュアルな人か、海外暮らしが長い日本人(あ、それはそうだ。笑 合ってる。笑)ですか⁉ってくらい驚異的な長さだったから、切れたときはさっぱりしたなぁ…。笑
そして相変わらずヨーロッパを北へ南へ東へ西へ。簡単に旅ができる…いやできてたってなんて幸せなことだったんだろう…。(今は過去形、一日でも早く「なんて幸せなんだろう」の現在形に戻りますように。)
ヴェローナから電車で3時間行けばオーストリアのインスブルックへ。電車やバス、自家用車で越境って日本ではありえないから、いまだに興奮する!笑
それからこんな、おとぎ話ですか?っていう景色が広がるチェコの街へ行ってみたり…
年始には結婚してスペインのバルセロナに住んでる幼馴染のところに泊めてもらいにいったり。。。
馬籠宿に行ったり…。
馬籠ーーーーーーー!笑 最後だけいきなり日本でした♡笑 日本も好きよ♡
とまぁざっくりとヴェローナに来て1年を振り返ったけど、本当に充実していて、ここに載せきれていないことがたっくさんある。それは個別にまた書いていく…ということで。
いったんこれにて留学前からのイタリア生活回想録は終了♪
読んでくださった皆様ありがとうございました。
2020年1月にはコンサート等のため日本へ帰り、2月頭にイタリアへ帰ってきて、コンクールを受け、さぁこれから春に向けて本格的に動いていこう!とした矢先のコロナさん。受けたかったコンクールも、オーディションも、そして6月に日本であるはずだったオペラも全部なくなりました。もちろんレッスンもない。
でも辛い状況なのはみな一緒。不安なのもみな一緒。
音楽家にとって演奏の機会がないのは悲しいけど、咲かせるためのつぼみをせっせと膨らませようと日々頑張っています。
イタリアの状況は少しずつだけど良い方向に向かっているように見えるので、今は日本の皆さんが踏ん張りどころ。
どうか気を付けて日々をお過ごしくださいね。
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